小川町 田植え


私たちが植えた籾は苗代ですくすくと生長し、こんなに大きくなりました。
6月18日、USP FARM農業体験会では、14名が参加して田植えを行いました。
有機の田植えは、慣行農法と比較すると、苗がより生長した状態(五葉ぐらい)で行うのだそうです。


写真は、田植えを待つ田んぼです。
田んぼの泥の上に線が引かれているのが見えますか?
下の写真で今回の講師役の有井さんが持っている道具を使って、
田んぼにいくつもの筋をつけています。
その筋が交差するところに苗を植えていけば、まっすぐに植えられるというわけ。
まっすぐに植えられていないと、草取りのときに草刈り機を入れられなくなるから
ここは丁寧に仕事をしておきたいところ。

今年米作りを行っているUSP FARMは広さ5畝。
その端の方に、参加者の方がずら〜りと並びました。

育苗ポットから、するっと苗を抜き取って、一つ一つ、
丁寧に、泥の筋がクロスしているところを探しながら、植えていきます。


頑張れ〜。


頑張れ〜。

この日はあいにくの曇り空。昨年とは違って、泥も水もそこそこ冷たい。
しかもその泥に足が取られて転びそうになるし、これはなかなかの重労働です。
昔の人はこれを延々何日もやったのか〜、と思うと、頭が下がる思いになります。

地元の農家の方のお手伝いもあって、田植えは1時間ほどで終了。

完成後の田んぼです。筋のおかげでなんとかまっすぐに植えることができました。
残った時間で田んぼの脇の溝を作ったり、刈った草を片付けたり…。

普段何気なく見ている田んぼの景色は、
たくさんの人の手がかけられて生まれたものなのだなぁと、
こんなところで気がつかされます。

このブログでもたびたび登場している(勝手にリスペクトしている)養老先生も、
「日本の里山は手入れがされているから美しい」と著書に記されていましたっけ。
日本の手仕事は景観までも作っているのね、と勝手に納得。

さてさて、労働の後は楽しみなお昼ごはん。
今日は小川の野菜を使った和食がずらり。
もちろんマイクロブルワリーさんのビールも欠かせません。
地元の農家の方や、新規就農者の方も交えて、料理を囲みます。

労働の後ですからおなかはぺこぺこ。
おにぎりがみんなのおなかの中に、あっという間に吸い込まれていきます。
「有井をよろしく頼みます〜」と地元の人が差し入れで持ってきてくれた和菓子も
瞬く間に胃袋の中に吸い込まれていく…。

(小川は和紙の産地として昔から有名で、交易の中心地として江戸の昔から栄えていました。
 商売をしに訪れた人が、帰りにお土産としてお菓子を買って帰ったということから、
 小川にはおいしい和菓子屋さんがたくさんあるのだとか)

ほろ酔い気分で、参加者の一人一言自己紹介タイム。
世代も年代も越えて輪が広がっていくのを感じます。

そして今回のスペシャルイベント!
昼食会場となった果樹園を提供してくださっている家の息子さんが、
自作の歌をギターの弾き語りで披露してくれました。

田んぼの実りをテーマにした歌にみんなで聞き入りました。
ギター小僧の隣で犬も楽しそうに歌に聴き入っている。なんとピースフルなことでしょう。

それにしても、忘れられないのは、今回参加していた新規就農者の方の一言です。
「農業をするのは本当に大変。心が折れそうになることもある。
だけど世の中には、誰かがやらなければならないような仕事があって、農業はその一つ。
ここで皆さんが楽しそうにしてくれていて、農業をやっていてよかったと
少し前向きな気持ちになれました」

行きすぎた近代化の影で、ばらばらになってしまった「作る人」と「食べる人」。
USP FARMではこれからもその「作る人」と「食べる人」をつないでいきたいと、決意を新たにしました。

田んぼをあとにしようとしたとき、パラパラと雨が降ってきて、
かろうじて雨に当たらずに済んだ私たち。
日頃の行いがよかったから、と思わずにはいられません!

次回は7月18日に草取りを予定しています。